砂の下の夢

砂の下の夢 2 (プリンセスコミックス)

砂の下の夢 2 (プリンセスコミックス)

TONOさんの漫画、というより絵に惚れたんですね。
TONOさんの漫画と初めてであったのは、ニュータイプで連載されていた
コラム?みたいなやつですね。
4コマくらいの漫画。
今もやってんのかなぁ。
あの漫画でTONOさんの、「感じ」で書いてそうだけど、違和感のすくない絵が好きになりました。
説明がわかりにくいっすね。
TONOさんどういう風に絵を描いてるかは全然知らないけれど、
絵を見た印象では、体の構造がこうなってるから、こう、みたいな理論がっちり、
デッサンがっちりみたいな感じじゃなくて、
手動かしてたら絵でけたーみたいな感性で書いてそうな印象を受けた。
で、TONOさんの絵は、「感じ」で描いてるけど、一枚、1ページ、1冊の絵が
全体的に同じ「感じ」で描かれているというか、
全体のイメージしっかりしてるから、変な感じがしない。
だから、柔らかい絵がするするっと私の隙間に入ってきて、心地よい。
カルバニア物語とかでも、血が出るようなきな臭い話もあたりするんですが、
もちろん、その生臭い雰囲気を醸し出してるんだけど、
それが嫌ではない。
後、女性の絵の曲線がすげぇきれいで色っぽいのが好き。


砂の下の夢でしたね。
砂漠の上の話。
砂漠で生きていく上で、重要になるのはオアシス。
この世界では、オアシスはジャグロ族という一族が、
死んだ人の魂を利用して作り上げ、管理し、そして撤収する。
ただし、撤収する際にはそのオアシスを管理する魂と関係する人間を連れて行くことが決まっている。
そして、ジャグロ族のフェイスとチャリティと、撤収される魂と、その人に関連する人間の物語。
だいたい、撤収される魂と、関係する人たちとの、過去からのつながりとか、
因縁とか、そういった話なのだけど、
人と人との関係とか、過去からのつながりとか、それに少し不思議な世界観を加えた話を描かすと
TONOさんてすごいうまいと思うのです。
一つ一つの話が読み切り形式で、結構、ベタな構成やったりもするんですが、
それでも読んでて楽しい。
きっとキャラクターの個性もあるとは思うんですけどもね。


そうそう、ジャグロ族はある一定の年齢まで自分の性別をあかさないっていう決まりがあって
チャリティも、フェイスも、中性的に描かれてあって、その設定に関連した話もあったりするんです。


あと、TONOさんの自画像と自虐的なところが好きです。