デザインフェスタVol.32出展レポ

もうデザフェスから二週間経ちますが、
感想その他まとめてみました。

  • ブース全体の雑感

今回、先輩A氏、O氏、後輩モトヨさんの4人で、順列都市計画(PCP Studio)名義で両日出展しました。
(ブースNo G379-380)
Share photos on twitter with Twitpic


PCPStudio名義で出展するのはVol.30以来、一年ぶりの二回目なのですが、
客入りは去年よりも多かった印象があります。
その要因としては、前回はミニブースを確か2つ借りたのですが、作品と通路の間がほぼなく、
足をとめにくい印象がありました。
今回はブース2個で、ブース内に空間があり、
ブース内に入ってくれる=見られている、と強く感じることができました。
また、O氏のポスター無料配布、ポストカード販売、私の付箋紙落書きで、
お客さんからのアプローチがあった点も客入りの良さに大きく関わっていると思います。
また、今回は角の壁側のブースで、人の流れがとまりやすい場所だったのも要因の一つだと考えています。


展示の構成としては
A氏が写真、O氏が油絵、CGなどの絵、モトヨさんがペン絵、そして私が付箋紙の落書きとアニメーションで、
分量は
A氏:モトヨ:自分:O氏=1:1:1:3
くらいの割合でした。
その中でも、やはりO氏の絵が目をひいたと思います。
Share photos on twitter with Twitpic
O氏の作品


特に、O氏が以前ダンスイベントで出展した↓の絵が
Share photos on twitter with Twitpic
通路に面した場所にあり、そこで足を止める人が多かったように印象に残っています。
また、その下に無料配布のポスターを置いていたので、それも大変好評でした。
O氏の絵で足を止めた人が、奥にあるO氏の大きな油絵や他作品にひかれて、ブース内に入り、
ゆっくり見ていただけたのではないかと思っています。


反省点としては、一日目のブースの構成上、
O氏のポストカードが目につきにくく、販売が促進されなかったこと、
O氏の壁絵も、奥まっている上に、売り子がいるので全体像を見にくかったこと、
落書きを始めると、お客さんへの対応がおろそかになること
ではないかと思っているので、次回で改善していきたいと思います。

  • 私の出展について

今回、私は付箋紙に落書きをし、ボードに敷き詰めたものを出展しました。
さらに、敷き詰める過程を撮影し、ストップモーションアニメとして展示していました。
そして、あえて余白を残し、当日、作品の前に付箋紙と
「付箋紙に落書きをしてください」
「適当にボードに貼付けてください」
と書いた紙を置き、自由に来場者に落書きを貼付けてもらいました。
その結果が以下になります。
Share photos on twitter with Twitpic
展示したストップモーションアニメ

  • やりたかったことと、できたことと、反省点など
    • 来場者を巻き込む展示

デザフェスは出展者として2回、来場者とし2回参加しています。
その4回の参加を通して、
・出展者、来場者どちらも魅力あふれる人が多い
・出展者とコミュニケーションをとるときが一番楽しい
の2点を強く感じていました。
デザインフェスタは、変な人の集まり(良い意味で)と勝手に思っているところがあるのですが、
面白いもの、興味ひかれるもの、好きな絵、変な人、楽しい音楽、
そういったものに毎回出会えて刺激をもらっています。
2000以上のブースがひしめいて、お祭り状態なのですが、
一つ一つのブースが、もっと繋がりをもって、連鎖的に作用すれば、
なんか、もっとでっかいエネルギーになるんじゃないか、といつも感じていました。
個性も違うし、やりたいことも、伝えたい事も違うから、
皆でいっせいのでっ、で同じ方向を向く事はできないけど、
何か、か細い糸くらいの力で一つ一つを繋げていくだけでも、
違う見方ができるんじゃないか、
エネルギーがでっかくなっていくんじゃないか、と思っています。
それは、来場者の方も同じで、ただブースの前を通り過ぎるのではなく、
ただモノを購入するだけでなく、
デザフェスに来たエネルギーを残せれば、もっと面白くなるんじゃないかと思うのです。
それに加えて、自分が見て回るとき、ただただブースを見て回るよりも、
出展者の人と、なぜこの作品を作ろうと思ったのか、とか、
どうやって作ったのか、とか、
そういったことを話して回る方が個人的に楽しさが倍増する経験がありました。


この二つの思いがあって、展示作品を考えるとき、
どうすれば見に来てくれた人を巻き込めるか、を考えるようになりました。
そこで今回は付箋紙に落書きをしてもらって貼付けていってもらう、という手法をとりました。
そして、貼付けてもらった付箋紙は、ストップモーションアニメとして次回の作品に昇華し、
来場者の作業と、私の作業で次の作品に繋がっていく、そんな事を考えていました。
付箋紙を選んだ理由は
・書き込む範囲が狭い
・「貼付ける」という行為が生まれる
・完成度を求めない先入観
・貼付けるだけでカラーバリエーションが生まれる
そういったお手軽感が、先ほどの「か細い糸」程度の力になって、
来場者の方も参加しやすいのではないか、と思ったからです。
またストップモーションアニメを一緒に展示する事で、
あぁ、こういう風にしたいのか、ということが伝われば、という意図もありました。


私の絵は拙いし、完成度も低いと個人的には思っていたので、
正直、どれほどの反応があるか不安でしたが、
当日、たくさんの付箋をはっていただきました。
この点では、今回の展示は非常に満足いくものでした。
しかし、反省点というか、改善したい点もありました。
一つは、この集客力は私個人の力ではないということ。
おそらく、この作品を単体で出した場合、ここまで反応は得られなかったと思います。
他の皆の作品の魅力もあいまっての反応だと感じました。
自分の力だけで人を引きつけるにはどうすればいいのか、
そのために足りない自分の力を痛感しました。
二つ目は、反応をいかしきれなかったこと。
たくさん付箋を貼ってもらって、反応をいただけただけでも、嬉しいのですが、
その反応をさらにその場で返せる仕組みが欲しいと感じました。
来場者の方の反応が、ダイレクトに展示作品に影響して、
その場で展示作品が変容していけば、もっと面白いものになったのかもしれないと思っています。


また、今回はブースを繋げる、というのはできなかったなぁと思います。
付箋紙に他ブースの宣伝もオッケーとはしていたのですが、その効果は少なかった印象です。
私のブースに来て、「あ、このブースに行きたい」と他のブースに繋げられる仕組みがあればなぁと思いました。
そういう意味では、今回も出展されていた、ゆらさん(I-090)の
各ブースの名刺を集めると一組のトランプが出来上がるという企画は素晴らしいといつも思っています。


    • 世界観の構築と混合

これは作品の裏テーマみたいなものですが、
一応、(拙い作品ではありますが)意味をこめて作ってみました。
私があらかじめ描いた付箋紙、あれは一枚ずつ意味があります。
Share photos on twitter with Twitpic
例えばこれは祖母の死
ここ最近4年くらいに起こった出来事をそのまま、または抽象化して一枚の付箋紙に描いています。
本当は、生まれてからこれまでに起こった事で、覚えていることを全部描きたかったのですけど、
時間的制約と私の怠惰で間に合いませんでした…
自分の人生で起こった事を描いて、貼付けて、埋め尽くしていくことで、
自分の中にある世界を表して、
そこに来場者に付箋を貼ってもらうことで、
他人から受けた影響で、自分の世界が変わっていくことと、
自分の世界の外に、皆の世界があるんだな、的なことを考えていました。
考えていましたが、
そういう重っくるしいことは、正直どうでもよくて、
見に来てくれた人が、楽しめる事が第一、ということで、
いろいろと考えたことは表にださず、奥底にしまっておきました。
個人的に、こういった裏の意図がないと、
作品の構想が練れないので、ちまちまと考えたりしていました。
ただ、深読みできるスキマを残して置いた方が良かったなぁと思います。
ストーリーにおける伏線のように、気付いた人にはわかる程度の見せ方も盛り込めれば、もっと見てくれる人は楽しかったのかも、と思います。
この絵はいったい何を表しているんだ?と考える楽しみもあったのかもしれません。
説明しないとわからない、というのは作品を作った意味がない、と個人的には思いました。

    • ストップモーションアニメ

YouTubeで「ストップモーションアニメ」で検索するといろいろ出てきますし、
「付箋 アニメ」で検索すると私の作った物よりもすごいものはたくさん出てきます。
あと、最近では下記の動画に影響をうけて
ストップモーションアニメ作ってみたい、と思ってやってみました。

もともと、ストップモーションアニメに興味があったのですが、
ちまちま絵を書く気力もなく、
どうしようかと思ったときに、
付箋アニメを知って、付箋紙を貼り付けたり剥がしたりなら簡単かも、と思ってやってみました。


ただ、ちょっと突発的に作ってしまったので、
遊びもアイデアもなく、ただ付箋でアニメ作っただけとなってしまったのが、最大の反省点です。
しっかり作品としてすみずみまで意図と計画を練って作りたいと思います。
ただ、少なからず考えていたことはあって、
それはテトリスと全体の時間。
付箋紙でボードを埋め尽くすと決めたときから、テトリスやりたいとは思ってました。
それは、ただ単に遊び心であり、使い古された発想とも思うのですが、
・だいたいの人が知ってるので、見ていて理解ができる(なんか楽しい)
・ブロック単位で付箋紙が埋まって行くので工数が少ない
という点で採用しました。
ただテトリスも、テトリスぽい動きというのは単純ではなくて、例えばブロックが落ち切って確定するのを表すために、数コンマ秒だけ同じフレームいれたりしています。
再生、フレーム数調整、再生の繰り返しでした。


もう一つ、時間。
これは一分くらいにまとめることに決めていました。
これは普段動画サイトで動画を見るときも、一分程度なら気楽に再生ボタンが押せるという経験と、
当日立って見ること、更には立ち止まってもいいと思える時間は数十秒〜一分までと考えたからです。
一分で白紙のボードから付箋紙で埋まるまでをアニメにできたのはまずまずかなぁと個人的には思ってます。


  • 総括

今回、予想以上に付箋紙を貼ってもらえて、またO氏の無料ポスター配布が好評だったことで、お客様からの反応が感じられたことが一番の収穫でした。
当たり前のことですが、反応してくれると、すごい嬉しくて、次のデザフェスも出ようというモチベーションにつながりました。
また、前述のように、至らない点も見えて来たので、次回はもっと見てくれる人が楽しめるように、そして反応が目に見えるような、そんな展示をしたいと思いました。


更に見せ方としては、マクロのインパクトと、ミクロの楽しみが必要かなぁと感じています。
遠目からブースを見たときに、あのブース面白そう、と思わせるインパクトと、近づいたときに、細けぇー!みたいな近寄って見てみないとわからない楽しみ。
その二つがないと集客力は得られないなぁと思いました。
当然なのかもしれませんが…

  • てわけで

次回Vol33申し込み済です。
次回はアトリエメンバー各自でブースを出すので、また趣きは変わると思いますが、見ていただければ嬉しいなぁと思います。
(半年先ですが)


製作、頑張っていきますー