Kオケ第6回定期演奏会を聞きにいった話

今日はKオケ第6回定期演奏会でした。聞きにいきました。
第1回から演者として参加し、前回を最後にお休みしたので、初の客としての来場でした。
ずっと演奏会を知っているのに、アンケートの来場は「初めて」にチェックを入れるのは変な感じでした。

 

Kオケ、Thanks!Kオーケストラは菅野よう子さんのファンが集って、菅野よう子さんの楽曲だけを演奏する団体です。
菅野よう子さんの作曲された曲、というルールだけなので、過去にはターンエーガンダムエスカフローネCOWBOY BEBOPマクロスFマクロスプラスアクエリオン
と作品の垣根をこえ、菅野よう子さんの楽曲だけを毎年のように定演していました。

 

菅野よう子、そして今日は七夕。
この二つのワードが揃えば菅野さんファンは一つしか思いつかないわけです。
超時空七夕ソニック、通称タナソニ。

 

そして、タナソニは2009年7月7日。
今日はそれから10年目です。
Thanks!Kという団体については発足には関わっていないので詳しいことは知らないのですが、確かこの団体自体がタナソニに触発されてできた団体だと思います。
それから10年。
色々な経緯を経て、2019年7月7日。
菅野よう子さんが好きなファンが集って、この日に演奏会をする。
もう、やるしかないわけです。
そしてやってくれました。

 

第一部は「タナソニ」ではなく信長の野望大航海時代など、菅野さんが音楽を担当されたゲーム楽曲から。
オケの魅力がバッチリでる楽曲揃い。
中でも今年は打楽器がすごい良かった!!!
打楽器が締めるとこ、盛り上げるとこをバッチリ決めて、めちゃくちゃく良かった。
菅野よう子さん好きを名乗っておきながら、恥ずかしながら実はゲーム音楽はカバーが薄くて馴染みがなかったのです。
でも今日聞いて、うぉぉぉぉ、この曲好きだーーーーー!と思えました。
かっこよかった。素晴らしかった。

 

そして第二部がタナソニリスペクトステージ。
まずは弦、合唱、管それぞれに焦点を当てたセットリスト。
弦アンサンブルの真綾さん曲メドレー、本当に良かった。
個人的な病なんですけど、夏にtune the rainbowを聞くと泣く、という症状が前からあって、今日もうるうるでした。
てかねーてかねー、第一部からなんですが、弦の安定感というか安心感というか。
第一回から関わっていて、完全に身内話なんですけど、クオリティの問題が常に反省点としてあったのです、どのパートも。
でも今日はずっと、弦に関しては「当たり前」な感じだったんです、良い意味で。
聞いてて邪魔にならない。聞かせるところは聞かせる、後ろに下がるとこは下がる。
楽曲の中で弦が奏でていることが自然である感じ。
それが弦アンサンブルと弦だけに際立った時に、選曲もあいまって、すっごい良かった。

 

合唱はgravityと奇跡の海の二曲。
gravityもめっちゃ良かったけど、奇跡の海、殺す気か!めっちゃ良かった!
ここもまずパーカッションがすごい良かった。すっごい良かった。
ほんでイェイイェイイェ〜〜〜〜〜イですよ。鳥肌ザワザワだった。

 

管はCOWBOY BEBOPメドレー。
こりゃもう、Kオケの管だなって感じでした。
Kオケの管は元気なんですよ、いい意味でも悪い意味でも。
今日はいい意味でした。盛り上がりまくりでした。盛り上がりまくりって凄いんですよ。
COWBOY BEBOPってアニメもすごくて曲もすごくてそこに対する客側の思い入れもある。
それもある。でもそこを刺激して、リズム、テンポで人の心を揺れ動かすってのは、凄いと思うんです。
基本的に他人の感情や考えは変わらないと思っています。
ただ、たまに歯車が合致して、そこに表現者の表現が針のように、または浸透するように受け手の心のど真ん中まで届いてしまう。
音楽だけじゃなく、いろんな表現が、他者と他者の間の刹那的な交わりで感動や心の動きを生み出す。
今日はお客さん盛り上がってました。僕も盛り上がってました。だから凄いんだなーって思いました。
その原動力というか、エネルギーが管の皆が生み出しているのが、凄い。

 

そして、オケメドレー。
10年前。覚えています。
約束はいらない、静かな真綾さんのイントロからバンドの盛り上がり。それだけでいっぱいっぱいだったんです、僕の感情はふりきっていた。
そこで、途中で菅野さんが走り出した。何だ?何だ?
そしたら、そしたら、ばーーーーーっとそれまで閉じていた幕が開いてそこにはワルシャワフィルオーケストラ!
約束はいらない、すごかったんです。でもそっからワルシャワフィルの出番がなく、おやおや、これはおかしいぞ、と。
そしたらアンコールでオケメドレーです。オケメドレー来たーーーーーー!!!!でした。
そのリスペクトとして、今回は団員が編曲したオケメドレー。
White Falcon、めっちゃ良かった・・・頭の中でターンエーガンダムがウォドムの足を切って、ウィルゲムが飛び立つ。
そしてFlying Dragon。エスカフローネ、飛び立つ!
high spirit、そして恐怖のDANCE OF CURSE!
第1回の時にやって以来個人的トラウマ、DANCE OF CURSE!初めは3回待って「エスカ!フローネ!」客席でもビクッとした。
口パクて歌ってました。だって、何度も歌ったのだもの。
この曲、Tbもめっちゃ良いんです。低音金管めっちゃ良いんです。
そしてShiro, Long Tails。実はKオケのこれまでの定演の中でもWolfs Rainの曲は数が少ないのです。
弦、良かったよーレベルアップめっちゃしてるよー。
Dog fight、The Vision of EscaflowneときてStory of Escaflowne~end title~で締め。
曲順、10年前と同じなんですよ。雷の音まで再現してた。
去年まで参加していたというか、運営をしていたので、これまた身内話なんですけど、実はこのオケメドレー、Kオケの集大成でもあるんです。
菅野さんの曲をオーケストラでやる、と言っても譜面は一部を除いて市販などはされていません。
だから編曲者が一からおこすんです。
編曲については全然わからないのですが、オーケストラは一つの曲でも多くの楽器が参加して、それぞれの楽器をどう使ってどう表現するか、それは大変な作業です。
だから先に書いたように、Kオケはターンエーガンダムエスカフローネなど毎度テーマを決めて少しずつ譜面を作っていったんです。
そして第5回演奏会が終わった時に、このオケメドレーを構成する各曲の譜面が手元に揃った。
さらに2019年7月7日は日曜日。これはやるしかないとなったわけです。
つまり、少なくともタナソニで演奏されたオケ曲をやってみたい、そんな大きな夢を抱えて、地道に準備した集大成の結果だったんです。
前回まで関わっていた身として、その点でも感慨深いものがありました。
そして10年前、あぁ、ここにいるのは奇跡だって、そんな大げさなことを考えながら、ずっと指揮する菅野さんを見つめていた。
あの記憶が蘇った。最高のオケメドレーでした。

 

最後はend title ノスタルジーナとMoon。
end title ノスタルジーナ、個人的にめっちゃ好きなんです。
静かなピアノから始まって、途中でテンポが変わって、静かな夜から賑やかな昼へ。人間の営みと何かが大きく成長していくような感じ。賑やかな行進。軍歌の記憶。
すごっく良かった。
そしてMoon。
タナソニでは、ずっと正体を隠していた(?)ガブリエラ・ロビン、こと菅野よう子が歌うという最大のサプライズ。
指揮をするのかと思いきや、マイクに向かって歌い始めた時、衝撃でした。
Kオケでは過去の公演でも何度もやったMoon。完成度は素晴らしかったです。

 

そしてアンコール。
SMS小隊の歌は置いておくとして、約束はいらない!!!
あのアレンジは卑怯だ!もう、鳥肌、盛り上がるしかないじゃないか!!
思わず手を握って、はぁぁぁって昇天しました。最初から最後までアレンジがすっごい良かった。
そしてそのアレンジをきっちり表現した団員の皆もすごい。

 


今回、実は最後の方で裏でお手伝いをしていました。
なので色々と事情を知っているのですが、今回は例年に類を見ない、多くの方々にご協力をいただいています。
司会者の方の話もすごく良かった、盛り上げにも一役買って、あの方じゃないとできなかったノリが確かにあった。
照明もすごかった。写真撮影もたくさんの方にご協力をいただいています。
そして当日スタッフの皆様。予想外の来客にうれしい悲鳴ですが大変だったと思います。
今日の一日ができたこと、成功したこと、そこに大きな協力があったことが、本当に嬉しく、感謝しかないです。

 

そして運営、各係のみんな。
前回まで運営をしていたということもあって、引き継ぎのため、ある程度運営の皆の動きを見ていました。
今年は色々大変でした。色々大変というと大変なイメージしかないようにとれますが、それだけじゃなかったと思います。
物事には結果と過程が存在します。
今日はKオケの定期演奏会という結果が、素晴らしい形で幕を閉じたと思います。
そこから得られる様々なことは皆の次の原動力になったりするのかもしれません。
しかしその前に過程が存在します。
過程はえてして、大変である、しんどい、苦労をかける、そんなマイナスっぽいイメージの言葉が付きまといます。
しかし、それだけではないと思うのです。
HUNTER×HUNTERでジンは言いました「道中楽しみたい、それだけさ」
大変なことがたくさんあったのを僕は横で見ていました。たまにアドバイスもしました。
でも、できれば道中楽しんで欲しかった。だからそのために手伝いを申し出た部分もあります。
道中楽しんで、その先の結果という今日の日をめいいっぱい楽しんで、そして終わった後に、笑っていて欲しかった。

 

今回の運営は本当に頑張っていました。見えないところでもたくさん頑張っていました。
その他の係も頑張っていました。普通に練習が定期的にできる。普通は普通には成り立たないと思っています。
普通をなり立たすために、誰かが必ず準備をしている。

 

アマオケの運営は確かに大変です。
運営を退いた僕が無責任に誰かにそれを押し付けることはできません。
だから今後をどうするかは今の団員の皆にかかっているとは思っています。
でも道中楽しみながら、次の演奏会をして欲しい、そう強く思いました。
今日の演奏会はそれくらいすごかった。次の演目、テーマが何かは知りませんが、それでも次をして欲しいと思った。
過程は理想でも幻想でもなく、現実で、地味で地道な作業が続きます。何かを為さねばならないから。
それでも道中楽しんで、次を形作って欲しい。

 

今日の演奏会は前述しましたが、10年前の伝説のタナソニに触発されて集まったメンバーが、
少しずつメンツを変えながらも第6回まで続けて、10年間活動を続けて、
その結果、今日という10年目の七夕に形にした演奏会。多分Kオケにしかできないと思いました。

 

次もきっと、Kオケらしい演奏会が、その可能性が残っていると思います。
簡単な道じゃないけど、道中楽しめる仲間と、次へつなげて欲しいと、個人的な勝手なお願いで終わりです。

 

今日の演奏会は本当に良かった。本当に本当に良かった。
各パートの演奏も、演出も、思いも、全部、10年前から続いた感情が、思い起こされて、ただそれだけじゃなくて、Kオケとしての、Kオケらしい演奏で、すっごい良かった。

 

Kオケ、好きなので、めちゃくちゃ甘口な感想ですが、
Kオケの人は勝手に辛口コメントを自分でやるのも知っているので、これくらいは甘く見てください。

 

もう関係者じゃないのに、色々書いちゃったけど、本当に良かったのです。終わり。